おとり物件の見分け方
5つのチェックで騙されない部屋探し
そもそもおとり物件とは何か
おとり物件は、不動産会社が集客目的で掲載する「契約できない物件広告」の総称です。宅建業法第32条(誇大広告等の禁止)に違反する行為ですが、取り締まりが追いつかず、業界全体で慢性的に横行しています。
手口は共通していて、「好条件の物件で問い合わせを集める → 来店させる → 『ちょうど決まりました』と伝える → 別の物件を紹介する」という流れになっています。
おとり物件の3パターン
| パターン | 内容 | 発生頻度 |
|---|---|---|
| 成約済み物件の放置 | すでに入居者が決まった物件の広告を削除せず掲載し続けている | 最も多い |
| 条件の改ざん | 実際より安い家賃や好条件で掲載し、来店後に「正しい条件」を伝える | 多い |
| 架空物件の捏造 | 存在しない物件を作り上げて掲載している | 少ないが悪質 |
成約済み物件の放置は「うっかり削除を忘れた」と言い訳されるケースもありますが、意図的に放置しているかどうかは利用者側からは判断できません。いずれにせよ、問い合わせて「もう埋まりました」と言われたら、その不動産会社の信頼性は疑ったほうがよいでしょう。
おとり物件を見破る5つのチェックポイント
チェック1:物件の写真がない、または極端に少ない
実在する空き物件なら、不動産会社はいつでも撮影に行けます。室内写真が1〜2枚しかなかったり、外観写真だけで室内が一切載っていない物件は、撮影できない理由がある可能性が高いです。すでに入居者がいて撮れない、あるいはそもそも存在しないといったケースが考えられます。
チェック2:住所が「○○区○○町」までで番地がない
番地を伏せている物件は、利用者がGoogleマップで場所を確認できないようにしています。「詳しい住所は来店時にお伝えします」と誘導するための手口です。正確な住所が記載されている物件を選ぶのが鉄則でしょう。
チェック3:周辺相場より明らかに安い
1Kの相場が7万円のエリアで5万円台の物件が出ていたら、まず「なぜ安いのか」を確認してください。事故物件・日当たり不良・騒音といった明確な理由がなく、ただ安いだけの物件はおとりの可能性があります。SUUMOの「家賃相場」機能を使えば、駅ごとの相場を30秒で確認できます。
チェック4:掲載期間が不自然に長い
東京の賃貸物件は条件が良ければ2週間〜1ヶ月で決まるのが通常です。3ヶ月以上掲載され続けている好条件の物件は、「なぜ決まらないのか」を疑うべきでしょう。掲載日が確認できるサイトでは、公開日を必ずチェックしてください。
チェック5:同じ物件を複数社が掲載している
5社以上が同一物件を掲載しているケースは、各社が「集客用の看板物件」として利用している場合があります。人気物件の可能性もゼロではありませんが、問い合わせ前に複数の掲載元を比較して、情報に食い違いがないか確認しましょう。家賃や管理費が掲載元によって異なる場合は、どれかが虚偽広告です。
おとり物件に使われる典型的な誘導パターン
おとり物件を掲載する不動産会社は、来店後に一定の「シナリオ」で別の物件へ誘導してきます。
| 来店後のセリフ | 実態 | 正しい対応 |
|---|---|---|
| 「この物件、さっき申込みが入りまして…」 | 最初から紹介する気がない可能性が高い | 「では他社で探します」と伝えて退店する |
| 「似た条件でもっと良い物件がありますよ」 | 手数料の高い別物件へ誘導しようとしている | 当初の目的と違う提案は断る |
| 「現地は遠いので先に他を見ましょう」 | 目的の物件を見せないまま別物件の内見に連れて行く | 「その物件だけ見に来ました」と明確に伝える |
共通しているのは、「問い合わせた物件を一度も見せてもらえない」という点です。電話やLINEの段階で「この物件に入居申込みはできますか?」と聞いてみてください。「来店してから確認します」と返ってくる場合は危険信号です。
被害に遭ったときの通報先と手順
おとり物件は違法行為なので、泣き寝入りする必要はありません。通報先は3つあります。
| 通報先 | 対応内容 | 通報方法 |
|---|---|---|
| 掲載ポータルサイト | 物件の掲載停止、不動産会社への警告 | SUUMOには「おとり物件通報機能」があり、物件ページから直接報告できる |
| 不動産公正取引協議会 | 調査・警告・違約金の賦課。反復違反なら業者名を公表する場合もある | 電話またはWebフォームで報告 |
| 都道府県の宅建業免許担当課 | 行政指導・業務停止命令・免許取消しなどの処分 | 電話で相談。東京都の場合は住宅政策本部 |
通報する際は、物件の掲載URLのスクリーンショットを保存しておくと話がスムーズに進みます。来店時のやり取り(「この物件は決まりました」と言われた日時や担当者名)もメモしておくとよいでしょう。
おとり物件を根本的に避ける部屋探しの方法
ポータルサイトは「相場を知る道具」と割り切る
SUUMOやHOME'Sは物件数が圧倒的に多く、エリアごとの家賃相場を把握するには最適なツールです。ただし、各不動産会社が自主的に情報を更新する仕組みのため、掲載内容の正確性はサイト側が保証していません。気になる物件を見つけたら、掲載元ではなく別の不動産会社に「この物件、まだ空いていますか?」と確認するのが安全です。
「来店不要」で空き状況を確認できるサービスを使う
ヤスクスムでは、SUUMOやHOME'Sで見つけた物件のURLをLINEで送るだけで、その物件が実際に空いているかどうかを確認できます。おとり物件かどうかの判断材料にもなりますし、空いていた場合は仲介手数料がいくらになるかもすぐ回答しています。来店する前に「本物かどうか」がわかるので、無駄足を踏まずに済みます。